2009年04月15日
S-H について語ってみる
S-HのサポートBBSですが、書き込み受付を終了しました。
最近はスパムばかりでしたし、特に問題ないかな、と思います。
S-H自体は、バージョンアップの構想自体はあるのですが、実際に手を着けてはいません。
システムのバージョンアップだけの予定なんですが、中身も触りたくなりそうだし、とはいえ触りたくもないし、と微妙なところ。
いずれにせよ、今後は更新しない可能性が極めて高いと思います。
折角なので、忘れないうちに色々と書いてみようかな、と思います。
今となっては興味ない方が大多数だと思いますし、私にとっての備忘録みたいな内容なので、以下は興味ある方だけどぞー。
あ、ネタバレとかしまくりです。
最近はスパムばかりでしたし、特に問題ないかな、と思います。
S-H自体は、バージョンアップの構想自体はあるのですが、実際に手を着けてはいません。
システムのバージョンアップだけの予定なんですが、中身も触りたくなりそうだし、とはいえ触りたくもないし、と微妙なところ。
いずれにせよ、今後は更新しない可能性が極めて高いと思います。
折角なので、忘れないうちに色々と書いてみようかな、と思います。
今となっては興味ない方が大多数だと思いますし、私にとっての備忘録みたいな内容なので、以下は興味ある方だけどぞー。
あ、ネタバレとかしまくりです。

・経緯とかコンセプトとか
S-Hの企画書やプロットを書いたのは、実は中国単身弾丸出張のとき。
打ち合わせの合間とか、移動の合間なんかにペコペコ打ち込んでいました。
そんな状況でも書けたのは、キャラやあらすじの部分は、遥か昔、高校時代に似たようなゲームを作っていたからです。
でも違うのはコンセプトでした。
当時のコンセプトはまんまギャルゲーのソレ。
でもS-Hの設定資料の頭の部分に書いてあるコンセプトは以下のようなものでした。
>●概要
>
> 高校2年生の主人公と、男女の友達の友情を巡った物語。
> 3人のキャラクター毎の固定エンドが幾つか用意されており、
> キャラによって、物語のテーマが異なる。
>
> 基本的に暗いエンドは用意しない。
> コミカルに進み、コミカルなまま終わる。
> シリアスな場面も出来るだけ少なくする。
こんなコンセプトでした。
私自身は鬱ゲーとかも嫌いじゃないんですけど、自分で作る場合のポリシーはちょっと違います。
「現実でシビアな事がいっぱいあるんだから、ゲームでまでなぞることないんじゃないかなぁ」です。
というか、根が楽天家なもので、シリアスな場面とか書き続けるのも無理だと思いましたし。
また、この年になると「平凡な日常」というのが、なかなかどうして得難いものだと思いまして。
そのせいで「起伏の少ない物語」と評価されるような平坦なシナリオになったのかな、と思います。
至極真っ当な評価だと思います。
私自身、物語として面白いか?と問われると疑問に思うところはあります。
この辺は公開当初から書いていることではあるんですけど。
でも最近では、トータルの物語としてではなく、キャラクターそれぞれの物語として見れば、起伏はとても大きい、とも思っています。
・キャラ毎のテーマとか思い入れとか:神田俊夫
S-Hを作ろうと思った時、真っ先に思い浮かんだキャラが彼でした。
学生時代、環境にもよるでしょうけれど、異性よりは同性と過ごす時間の方が長いと思っていました。
ですから、俊夫のようなキャラクターは絶対に必要でした。
一応キャラのコンセプトを語るのに便利なデータを見つけたのでそれを抜き出してみました。
>誕生日は9月20日。 誕生花はリンドウ(正義・満ちた自信)。
俊夫は自信に満ち満ちていて、恋愛も勉強もどうにかなるだろう的な考え方をしていました。
でもそれは、臆病な部分を自信で押し隠していた、とも言えるかもしれません。
ですから、愛に振られるというのはとても大きな出来事でした。
ある種の挫折と言ってもいいかもしれません。
それを大きなことと受け止めてしまえば、コンプレックスになってしまうくらいの事です。
年齢的に致し方ない部分があると言えると思います。
しかし主人公や友人たちにからかわれる事によって、大きな挫折を笑って受け入れられる下地を作ってもらえました。
そうして彼は自分と愛の違いのようなものを客観的に評価し、前進する覚悟を決められます。
そんな俊夫に託していたコンセプトは「夢を見つけた人」。
まあ見つけたってよりは、再認識したっていう表現が正しいかも。
「将来・人生」というものについて、自分なりに考え、現状から歩を進めるようになるキッカケを描きたかったのです。
まあそれが失恋から始まる辺り、彼らしいと笑って頂ければ。
ちなみに、男女問わず、一番人気あったかも?
少なくとも女性人気はぶっちぎりでした。
主人公とのカップリングを希望する声も微笑ましかったです(ノ∀`)
私自身が男と言う事もあって、筆の進み具合もぶっちぎりでした。
それなりにリアルな男子高校生が描けたのではないか、と思います。
・キャラ毎のテーマとか思い入れとか:佐久間理恵子
メインヒロインって言われていますが、特にそういう事はないです。
作者の描く「その後の展開」としては主人公のトゥルーエンド一本なので、彼女が他の3人とどう絡んでいくのかは、私にも分かりません。
と、そうは言っても、立場上はメインヒロインと言われても相違ないと思います。
登場も早いし、出番も多いし、他キャラとの絡みも多いし。
そんな彼女のキャラコンセプトは。
>誕生日は2月2日。 誕生花はフリージア(あどけなさ・無邪気・純潔・慈愛・親愛の情・親愛)。
四人の中で最も臆病というか慎重で、考え方も少し幼い部分があります。
とはいえ、一人っ子で可愛がられて育った女の子ですし、年相応、いえそれ以上には大人びてるかもしれません。
そんな彼女ですが、将来については深くは考えていません。
能天気というわけではなく、考えても結論が出せないというのが一番です。
しかし、親友の愛が先の先まで考えているという現実が、徐々に焦りに繋がっていきます。
そんなプレッシャーが、主人公との喧嘩に繋がっていきます。
でも喧嘩する事で要点がまとめられ、なぜ自分が怒ったのかなどを整理できました。
そこで至った結論が「焦るのは仕方ないし、その重圧を感じるのも必要なこと」と現状を受け止める事でした。
「将来どうすればいいか分からずに悩む」という思考や、その思考に要する時間が、自分の人生にとっては必要な時間なのだ、と開き直ったわけです。
トゥルーエンドで少し語られていますが、彼女は彼女なりの進路をきちんと選択する事が出来ます。
自分なりにしっかりと考えての選択です。
正しいかどうかは分かりませんが、後悔が最も少ないルートを選んだ事にはなると思います。
というわけで、理恵子に託したコンセプトは「夢を見つけられない人」。
でもそれはネガティブな意味ではありません。
苦しむ事も悩む事も、それから立ち止まる事も、全て人生にとっては必要なことだと思っています。
それを表現したかったというのが一番です。
彼女のシナリオ的には満足しているのですが、トータルで見ると便利に使い過ぎてしまったと反省。
各シナリオ間で性格が変わるキャラになってしまったと反省しています。
・キャラ毎のテーマとか思い入れとか:香田愛
私自身の考え方に最も近いキャラです。
さすがに私も高校時代よりは多少大人になっていると思うので、他の三人よりも先を行っています。
>誕生日は5月19日。 誕生花はクルミ(知恵・野心・知性)。
なので誕生日も一番早いです(笑)
彼女はずっと昔から夢があります。
その夢を現実のものにする覚悟も決めていて、それに向けて邁進しています。
迷いなんて全然ありませんでした。
が、主人公が接近しまくったおかげで迷いが生じ、ちょっとした挫折を経験します。
その挫折を乗り越える過程で、他者からの協力の有難さを実感します。
どんなに強かったり自信がある人間でも、何らかの要因で挫折や迷いを味わう事はあります。
それを乗り越えていく事でさらに大きな事にトライできたり、本当にやりたい事を続けられるんだと思います。
愛にとっては、本当に些細な挫折だったかもしれませんが、一度乗り越えられたことで、次に挫折を感じるハードルはどんなものか。
愛に託したコンセプトは「夢を追いかけている人」と、「夢を見失った人」。
追いかけ続けるのは大変です。
また、まっすぐ追いかけるのもとても難しいと思います。
遠回りか近道か、それは分かりませんし、休んでいる時もあるでしょう。
それでもゴールを目指し続ける事はとても大事なことだと思います。
そして時に見失う事もあるでしょうけれど、そんな時はまた見つけ出せば良いんじゃないかな、と考えています。
愛シナリオの場合、他のシナリオよりも主人公の心情描写が多めになっています。
愛にカルチャーショックを受けているので、必然的にそういう描写が増えていきます。
その為、これらがトゥルーエンドへの伏線にもなっています。
愛自体は口数も少ないし、ギャルゲー的な視点で好みなキャラだったせいか、トータルでもブレの少ないキャラになったと思います。
うん、イイネ。
ちなみに、愛は大人、理恵子は子供、ってな扱いをしていますが、全てが全てそういうわけでもないです。
考え方はともかく、例えばスキル的な面でみれば、家庭的な事に関しては理恵子の方がたくさんの事ができるわけですし。
それと、決定的に違うのは両者の親御さんの呼び方だったりします。
一概に大人、子供って切り分けられないよなぁ、というのを表現したかったのですが、果たして。
・キャラ毎のテーマとか思い入れとか:主人公
主人公は一般的な高校生です。
開始時点では理恵子と同じようなポジションです。
三人との絡みの中で、少しずつ自分のやりたい事を探そうとしています。
コンセプトは「自立」です。
夢(自分のやりたいこと、進路)を探し、見つけ、追いかける。
それを一人で行っていくことを、ゲーム内での概念的な自立として表現しました。
「自立」の定義って価値観にも左右されるのだと思いますけど、あくまで今回はこのように捉えました。
どんな夢でも、どんなキッカケでもいいと思います。
現実的な話じゃないとしても、最初は現実的なレベルに抑えていって、その後に少しずつ上げていけばいいんだと思います。
雑誌の広告欄や、TVのスターの言動がキッカケでもいいんだと思います。
それらを現実のものとする為、実際に行動し、努力し続けていくこと。
それが一番大事だと思います。
行動しないと何も始まらないし。
過程の中で、俊夫のようにサボリたくなることもあるかもしれません。
理恵子のように踏み出せない状況になる事もあるかもしれません。
でもきっと、愛のように自分なりに乗り越えていく術を見つけられると思います。
それに失敗は成功の母って言うし、失敗しても良い状況のうちに、たくさん失敗しておくのもいいんではないかなぁ、と。
まあこれはケースバイケースですけれど。
そんな主人公の「夢」や「具体的な進路」がなんだったのか。
私にも分からない、というのが本当のところです。
だって「主人公」ですから。
・タイトルの意味
一番たくさんもらった質問かもしれません。
あんまり深く考えてなくて、「Self-Help」の頭を取っただけです。
脳内では「S」の部分に「自」を、「H」の部分に「立」を当て込んでました。
並べると「自立」になるんですが、間に「-」があります。
これは道を指しています。
「自-立」として「自力で立てるようになる(=自立)までの道」を描いた物語だったというわけです。
すごいコジツケっぽいですけど、一応ちゃんと考えてましたよ(笑)
本当に長文になってしまいましたのでこの辺で。
まだまだ書きたいことがありますけれど、それはまた忘れそうな時にでも。