2008年10月14日

職業乞食ってコンプレックス商法の一種?

 以前に中国に出張した際、一風変わった子供を見かけました。
 そこは比較的というか、中国国内ではかなり裕福な街なのですが、その子供の身なりはちょっと酷い。
 年齢は恐らくは幼稚園児……栄養状態からすると小学校低学年か、或いは高学年かもしれません。

 ただ身なり云々というのは、国内の格差事情もありますし、それだけなら気にならなかったです。
 ただ、腕が妙にプラプラしているのが特徴的で、少し気にかけてしまいました。
 折れてるのかどうかは分かりませんが、少なくとも正常でない事は分かります。

「ああ、これが職業乞食ってやつか」

 足元に置いてあったお茶碗を見つけ、ようやくそう気づきました。


 その後、現地の事情に詳しい人に色々と聞いてみると、やっぱりそういう認識で正しかったようです。

 その人曰く。

 その子供が、親が子供を使って商売しているのか、どっかの親が売ったか貸している子供なのか、或いはどこかから攫われてきたのかは分からない。
 一つ目の状況以外であれば、バックに組織的な存在がある場合もあると言われている。
 腕が先天的なものか、後天的なものかは分からないが、組織的なものだった場合、わざと折ってから街に放り込むこともあるらしい。(あくまで噂の域は過ぎないが)
 体力的に大人の作業に準じれないような幼子や、容姿的な問題がある子供を使うケースが多い。(老人も似たようなものらしいけど)

 とのこと。
 職業乞食の実態というのが、伝聞で知っていたものと若干違ったので、少し勉強になりました。
 もちろん、伝聞のものも実在したうえで、こういうケースもある、という事でしょうけど。

 上記の内容は噂話も多いので、全てが全て本当ってわけじゃないでしょうけど、中国に出張した際に見てきた様々な光景からすると、全くのフィクションだとも思えません。
 個人的には、大なり小なりは事実を含んでいると思っています。


 なんで急にこんな事を書きだしたかというと、ふと、本当にふと思い付いたことがあったのです。
 これも一種のコンプレックス商法と呼べるのではないか、と。
 扱っている感情は劣等感ではなく、優越感……とも違うのかどうか分かりませんが。

 とにかく、要はそういう子供なり老人なり、もしくは家族ぐるみでやっている乞食を見て、「かわいそう」と思う感情を突いてきているわけですよね。
 もし仮に、そういった感情を持つ人間がいなければ、そもそも商売として成り立ちません。
 そういった相手に対し、何らかの形で金銭なり食事なりを提供してきた人間がいるからこそ、商売として成り立ってしまっているに過ぎません。

 言ってしまえば、「かわいそうな子供」と思って恵みを与えている人間こそが、次の「かわいそうな子供」を作ってしまっている、と。
 何とも皮肉なものです。


 ちなみに、そういう子供に対し、何もしないのが一番だと思いますし、実際そうらしいです。
 恵んであげれば、その子供自体は(一時的に)良いことがあるかもしれませんが、その子供以外がどういう目に遭うかを想像すれば話は早いかと。
 もし救ってあげたいと思うならば、現地に住居を用意してから、その子供の親なりバックなりと交渉すれば、結構売ってもらえそうな気はします。
 ただ、戸籍を持っていない可能性が高いので、日本に連れ帰るのは少し難しいかもです。
 まあそこまでやったとして、救えるのは一人だけなんですけどね。


 ホント、えげつない商売です。


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